JSLA

 なんていうか、最近あまりよくないことが起こって、言葉が出てこない。言葉って奪われるものなのだと知る。ま、やるしかないってことですよ。

 今度2004年に書いた短編「マジック・アワー」が全国学図書館協議会が出している<a href="http://www.j-sla.or.jp/shop/book_list.cgi?cat_id=14">集団読書テキスト</a>に選ばれた。薄い冊子になって一万部刷るらしい。しかしながら、不思議な短編だ。小すば掲載から徳間の「短編ベストコレクション2005」に入れてもらって、公立高校の入試にも使われ、今度は高校生用の冊子。陽の目を見ているんだか、見ていないんだか。

 心から思うことなのだが、デビューしてから売れっ子でもないくせになんとかやってこられたのは、周りの人たちの協力がいちばんなのだけれど、ほかにも不思議と恵まれている気がする。ナツイチに入れてもらったり、坪田賞をもらったり、多くの高校入試に使ってもらったり。ほんと見えないなにかに救われている気がするのだ。

 いま、かなりの人生のボトムを過ごしているのだが、振り返って見えるのは、スズキセンセーから薫陶を得たこと、小すばでデビューできたことであって、これらのことに恥じないようにやっていきたいな、と思うのだ。大袈裟に言ってるんじゃないよ。いろいろ見失うと、道標のために星を見るわけだ。そうしたときの心持ちって感じ。