『今夜、列車は走る』

 アルゼンチンの映画である『今夜、列車は走る』を観る。90年代、アルゼンチンでは民営化の波が押し寄せて、そのしわよせで、とある鉄道が廃線になる。そこで働いていた労働者たちが、自主退職を余儀なくされ、仕事を失ったあとの悲しい日々を描く。

 なんかね、すごくつらい映画なの。会社と最後まで交渉を続けていた組合の代表は自殺し、無理に工場に残ったオッサンは心筋梗塞で死に、子供がいる若者はスーパーの警備員になり、愛人のいるオッサンが銀行強盗になり……。

 出口なし。お先真っ暗。希望を一応描くけど、本当の出口なんてやっぱりないわけじゃない、こういう労働者階級の悲哀を描く映画って。

 つらいわ。