『海泡』

 樋口さんの『海泡』。樋口さんの会話、好きだわ。ぼくに書けない。先日の『虚夢』も今回の『海泡』も心のビョーキを抱えた人間が登場するわけだけど、それが詐病かどうか、という詰め方においてぼくはいろいろと知っているだけあって、まだ届いていない気がした。まあ、きっと普通の読者にはこれでいいのだろうけれど。