西新井

 カメラつながりで西新井で花見。だが桜は咲いておらず、お店で飲む。初対面の人たちが半分だったが、酔ってしまえばこっちのもの。最近思うのだが、いつのまにぼくはこんな人当たりがよくなったのだろう(自分で言うことじゃないが)。十代は面倒くさがり屋にして気分屋だったのだが。

 歳をとって懐が広くなったとか? 腰が据わったのはたしかだなあ。むかしはまさに小心者だった。人にツッコミを食らうのが怖かった。語るべき自分といったやつがないのもいやだった。つまらない人間と思われたくなかった。空っぽなのに自意識ばかり育ってしまって、薄っぺらいことを見透かされるんじゃないかと、はらはらしていた。人と出会っても五分もたてば話すことがなくなりそうで苦しかった。

 いまは話すべきネタが豊富になったからなあ。あまり知られていない世界で暮らしているし。わんこにゃんこのネタもある。人と繋がっていくって結局は繋がる本人が空っぽだとダメなんだろうなあ。それを十代や二十代の頃の自分はわからずに、いろんな人と繋がっていたいとか、繋がったからには認めてほしいとか、空っぽのくせにさ。カノジョに対してもそうだったもんなあ……。自己嫌悪。