悪徳

 先日会った本をプロデュースする仕事をしているオクムラさんから電話。猫を飼いたいのでいっしょにブリーダーに会いに行ってほしい、と。いいっすよ、とふらふらと会う。出かけた先は猫カフェ猫カフェにしてブリーダーもやっている方なのだという。その店は以前から知っていた。しかしながらカフェとブリーダーを両立させるの大変なのにな、と思いつつ行ってみたら、かなり杜撰な店だった。衛生面でも、ブリーディングの面でも。はっきり言ってこんな汚くてくさい猫カフェは初めてだった。
 驚いたことに奇形の子が普通にいる。目が見えなかったり、足が曲がっていたりするのだ。足を切断した子も、毛が抜けている子も、痩せ細った子も。奇形だろうが足がなかろうが、同じ命なのだからいっしょに過ごさせているのかな、と思ったのだが話を聞いているうちに違うな、と。
 見に行ったのはスコティッシュフォールド。ミカミのうちの子といっしょ。ミカミのうちの子は軟骨が肥大し続けて、足も曲がってしまう病気になっている。これは近親交配の結果起こることが多い。スコティッシュは耳が前に折れ曲がっているのが特徴だ。でも折れ耳×折れ耳で交配させると奇形の確率は八割くらいだという。だから折れ耳同士の交配はしない。でもってこの日いったお店のブリーダーが言っていた。
「4匹生まれて4匹とも折れ耳の子だったんですよ」
 折れ耳は優勢遺伝。100%折れ耳っておまえよ……。しかも見に行った子は二ヶ月目。それなのに次の子が生まれているという。それはありえないよ。半年とか一年に一度しかお産させないのに。やけに母猫たちが痩せているはずだよ。かなり悪徳ブリーダーだと思う。
 帰ってからそのお店について調べてみたら、悪評が出るわ出るわ。結局、そこから迎えるのはやめたのでした。

 その後、晩ごはんをいただく。貧血で倒れたと言ったら、レバーの料理を作ってくれるというので麻布の事務所件住居に招かれる。これがまたいろいろと話題たくさんなのだけれど紙面が尽きたのでここまで。