勤め人

 そういえば、この前のパーティーの帰り、ヤマモトさんとアサイ君といっしょだった。アサイ君は就職活動をするという。ヤマモトさんは別にしなくても、という感じだったけれどぼくはしたほうが、と思う。結局ぼくはちゃんとした会社で働いたことがなくて、世の中のほとんどの人が経験している組織の中のストレスをうまく描くことができない。勤め人の経験があるオギワラさんみたいなものを書けない。会社小説の支持ってけっこう多いと思うんだよね。身の回りでも多いし。じゃあ、出口としてぼくはどう探っていくのかといえば、つい手を出してしまうのが家族関係を扱った小説になりがちで、それはどことなくやはり勤め人の経験がない角田さん的な方向に行きそうな気がしないでもない。でもさー、人間関係の距離感を書かせたら女性作家には勝てないよねえ。最近歳をとってきたのか、物事を斜めに見るのも面倒だしさ。