インタビュー

 出身大学院というか、その大学の受験者向け冊子を作るからインタビューしたい、と前々から言われていて、東京か、茨城か、と場所を問われていて、気を利かせて栃木でと答えておいたら、実際にそうした段取りになってから行くのがハードなスケジュールとなった。
 午後三時に小山駅前。
「雰囲気のいい古くからあるような喫茶店はありませんか」
 思いつかず……。写真撮影によさそうなところはないか、と問われて須賀神社前のイチョウ並木に連れて行く。見事なまでの並木っぷり(日本語としておかしいけど)。向こうさんはライターさん、デザイナーさん、カメラマンさんの3人。60代半ばくらいのカメラマンさんが美しいイチョウ並木にやる気を出しすぎて撮影が長引く。夜に予定があったのだが、長引く。結局撮影とインタビューで2時間半もかかる。ありがたい。けど長い……。
「いつもの倍以上シャッター切っちゃいましたよ」
 初老カメラマンさん、体から湯気が出そうなくらいの大満足。

 新幹線で新宿に移動。花園神社の小道を歩いていくと、知らなければ通り過ぎてしまうような入口の料理屋があってそこを予約しておいた。先月にカフェで写真の個展をやっていた女の子と。こーゆーお忍び系なところに25歳の女の子を連れて行ってしまう38歳になってしまいましたよ、おかーさん。なぜか泣きそうになる(嘘だけど)。実は彼女面白い。もともと外務省で国家三種で働いていたそうだが、写真をやりたくて辞めた子。外務大臣と飛行機に乗ってAPEC行ったとか。町村さんかなあ。
 で、彼女は数日後には香川に帰郷してしまうのだった。同じフィルムカメラを使っているもの同士、というなかなか世間には伝わらないつながりでもって盛り上がって、励ましあって別れたのだった。