上野動物園と『ノルウェイの森』

 写真の友達のガールズと上野動物園に行ってきた。初めての上野動物園。広いんだねえ。

 帰ってきてから『ノルウェイの森』を見る。オープニングがやけにドタバタしている。何かのダイジェストかと思うほど。見せ方はうまくない。後半は落ち着くけれど。
 ワタナベくんがやけに野暮でがさつで、はらはらする。もっとデリケートなイメージだった。もともと現実感の薄い作品世界だから、肉体を持った俳優にあの繊細さは無理なのかもしれない。嗚呼、この場面はもっとそっと作り上げなきゃ駄目なんじゃないの、とはらはら。物語の縦糸(因果関係)が見えないのが、彼の書く作品の良さなので急いじゃ駄目なんですよ。ま、2時間の映画という制約があるわけだけど。

 菊池凛子は明らかにミスキャストだが、スゴイってことには変わらず。拾いものは水原希子。雰囲気出せてた。

 あの小説は会話の妙を楽しむところがある、というか会話劇みたいなものなので、動きを映像で見せる映画というジャンルには向いていない原作ではある。顔のアップやバストアップのカットが必然的に多くなってしまっていて、あれをもう少し工夫できたんじゃないかな、と。寄ってばかりのカットじゃなくて、引きのカットで背景に心情を語らせるとか。