ハンバーグ

 先日のシンガーソングライターの子と、駅前でハンバーグでも食べますか、という話になる。彼女は26歳。ああ、26歳のときって何をやっていただろう。ま、映画館で飲みまくっていたわけだけど。白木屋で朝まで飲んで、国田さんの車の中でちょっとだけ眠って、そのまま早朝メンバーとして入って、もぎりに立ったら気持ち悪くなって五番のトイレで吐いた。胃腸薬としてサクロンを飲んでおいたら、嘔吐したものがすべて緑色。なーんて日々だった。そう思うときちんとシンガーソングライターとしてインディーズながらCDを出し、2009年はライブハウス、イベント、カフェで100本のライブをこなし、と精力的に動いていて偉いと思う。が、本人は不安なのだそうだ。
 
 ぼくはどうだったろう。アホだったから不安なんかなかった。小説家になれると思ってた。だからどんなふうに生きたって大丈夫だと思ってた。でも、そんなふうに帳尻があうことって人生においてまれだからなあ。

 どうやって音楽に携わっていくのか迷っているふうだ。職業としてやっていくのは難しい。趣味とするのは悔しいし、ファンもいる。厄介だな。豊島ミホさんも26歳で休筆宣言した。4年で20作品くらい出版して、映画化もされ、若人たちから支持もあって、ぼくからみればかなりの売れっ子だったのに、自分を殺して小説を書いていた云々の理由で休筆。職業として成功していただろうに、小説を書くということを自分の消化できていなかったというか、折り合いがついていなかったというか。

 ぼくは根拠なき自信だけはあるので大丈夫。最近、小説って面白いな、といまさらながらに考えるようになりました。