ボクシング

 ああ、駄目だったか、池原。シドレンコはあれだけパンチを適確に池原に当てていたのに、池原は倒れなかった。これは、池原が頑張ったこともあったろうが、パンチはあまり強くないってことかもね。アマあがりでテクニシャン。けど、ロープを背負うことも、コーナーに押し込まれることもないってことは、勝負どころがわかっていて、下がらない力はあるってことだよね。うーん、さすが王者。

 長谷川穂積はいまどき日本で珍しいくらいちゃんと攻撃と防御がひとつのボクシングができるボクサー。日本のボクシングレベルの高さを示す、日本ボクシング界のプライドみたいなボクサーだ。ま、今回は移籍後初の試合なので、結果はこんなものだろうか。次が楽しみだ。

 
 そうそう。電車に乗って浜松町へ。徳間に行ってムラヤマさんからインタビューを受ける。なにやら、急に企画が変更になったらしい。ま、なんでもいいけど、芝大門まで。東京タワーが見えるや。
 本当は小説の話をするはずが、世間話に終始する。いいんだろうか。

 その後、赤坂へ移動。タクシーで東京タワーの真下を通っていく。野暮用を済ませて幻冬舎さんと。長編は2月末発売になる。タイトルが決まる。二転三転、というか、ぼくが出したものが全滅し、にっちもさっちもいかなくなって、お互いほとほと困り果てていたので、ぼくが無理に押す。カタカナ一語になりました。「パレード」とか「モーメント」みたいに。