川嶋の9R

 川嶋VSムニョス戦を観た。明らかに調整失敗のムニョス。しかしさすがチャンピオンということで、手数を増やして優勢に。

 しかし、川嶋が動き続けてムニョスの左ジャブを外しまくる。ジャブが決まらずにリズムがつくれないムニョス。次第に川嶋の左ボディが当たるようになり、ムニョスは失速。目は虚ろで口も開く。ボディが入って、体がくの字になることも。

 7、8Rは完全に川嶋が主導権を握る。左ボディをいやがるムニョスに、川嶋得意のオーバーハンドの右がズバズバ入る。棒立ちのムニョス。「もしかしてこれは!」と内藤がベルト奪取したときの気運が脳裡によみがえる。

 だが、なぜか川嶋は9Rに手を出さず。ムニョスを休ませてしまう。
 解説のガッツは、ムニョスのカウンターがこわいから付き合うな、ゲームメイクに徹しろという立場。
 内藤は、いまが勝負どき、行ってほしい! と。

 川嶋は9Rでスタミナ切れしてしまったのだろうか。それとも、ポイントで勝っていると、無理をしなかったのだろうか。
 ともかく、9Rは勝負の分かれ目だった。内藤の勝負勘というか読み筋は、さすがだったと思うのだけれど。もしも9R以降も同じペースで押し切っていたら……。残念な敗戦だった。