センセー

 隣の部屋が空いて、いろいろな不動産屋が入れ替わり立ち代り客を連れてやってくる。先日、犬の散歩に行こうと玄関で準備していたら、急にドアが開いた。
「こちらへどうぞ」と不動産屋が客をまちがえて案内していた。
 急にドアが開いたものだから、うちの犬が吠えに吠える。不動産屋にともなわれてやってきていたお客さんは、超ビックリ。引きまくり。たぶん、この物件は断るだろう。やっちまったな、不動産屋さん。かわいそうに。

 夜、鈴木センセーから電話がかかってくる。先週、学習院に行って、単行本とアンソロジーをおいてきたのだ。でもって、アンソロジーの誤字がひどいと教えてくれる。たしかに、ひどい。ゲラで直したはずのところも、再びそのままになっている。たとえば「臆病」が「憶病」に。「眩暈」はそのままでいいが「目眩」と書く場合「目眩い」と送り仮名が必要じゃないかとか。さすがセンセー。
「やっぱりいつもの大きな出版社じゃないと、校正が甘いんですかねー」とセンセー。
 かもしれません、センセー。