ごはん

 写真を通じて知り合った30歳の男の子と、ごはんを食べに行く。同い年の奥さんを連れてくる。フツーに働いて、フツーに暮らすのが、もういやであるらしい。文章を書いて暮らしていけたら、といったようなことも言っていたが、そんなにいいもんじゃないぞー、と心の中で思った。

 まあ、家でひとりで仕事をしていれば、いやな人間に会わなくてすむからね。摩擦ナシ。特にヤングジェネレーションに触れ合わなくてすむのはいい。もうぼくはああいうヤングブラッドたちの、「……ええ、まあ、別に本気でやりたいわけじゃないっすよ」的なスカしたポーズが苦手なのだ。斜めに物事を見て、身内だけわかることでクスクスと笑って。ああ、面倒くさい! しっしっ! あっちへ行っておしまい!

 歳をとるとそういった人間はいなくなってくる。ポーズだけ取っているやつは淘汰されていっちゃう。一方でギラギラした人間もいなくなった。すぐに熱くなって、罵倒して、「才能」って言葉を持ち出したがる彼らはどこへ?

 えーと、なんの話をしてたんだっけ。まあ、いいや。最近、編集者さんのタイプでひとつわかったことがあった。いつも「忙しい、忙しいんですよ」と口癖のように言ってそわそわしている人はダメだ。まあ、これは社会人一般にいえることなのだろうけれど。