軽井沢

 先日、お誘いを受けて軽井沢のムラヤマさんちに行ってきた。引越しパーティーだったのだ。毎年、茨大の夏合宿で行っている宿泊所から、道をはさんだあたりに引っ越しされていた。パーティーに遅れて行き、20時まで。せっかくの軽井沢だが弾丸ツアー。ま、軽井沢って新幹線で行くとあっという間なんだよねー。
 それにしても、豪奢な家だった。編集者さんたちもたくさん。軽井沢在住の作家さんたちも。ユイカワさん、ハセさん、フジタさんコイケさん夫妻。まさにトップどころがずらり。デビュー前に読んでいた方たちがこんなふうに集っている光景は感慨深いものがあるなあ。作家としての成功を見せつけられもしたわけだし、成功ってなんだろうと考えもした。お集まりになられた面子を見て、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ(言い方は悪いが)ってこともあるもんだな、と。

 ちょっと潜ってみよう。以前、いくつか連作短編の連載が重なったとき、能力的に限界を感じてゆるゆるやっていたけれど、甘いよな。あの頃、同居人はおかしかったし、にゃんこの闘病はあったし、まっとうな精神状態ではいられなかった。でも、いまはなんもないわけだから、ぎゅうぎゅうにやってみようと思う。正直いえば、あの頃のちらんぱらんの状態をもう一度味わいたくなかったんだよね。間に合わせの間に合わせでさ。ま、いまならできることもあるだろうし。てこ入れしなくちゃいけないし。

 ゲントウシャさんで三十代半ばを主人公としたドタバタを始めてみた。あまり掘り下げすぎずに、さくさくと読めるものをこの際チャレンジしてみる。全体を軽くした分、重いところはすごく重く感じるようになればいい。ぽぷらのネット連載が10月から。トクマで連作短編をやるために来月末に打ち合わせ。ぐりぐりに仕事してみよう。ぐりぐりに。