『お別れの、そのあとで』

 伊藤さんの『お別れの、そのあとで』を読んだ。ああ、大人だな、と思う。ぼくよりひとつ年上で、ツボタ賞のときはぼくより一年前の受賞者だった。人が大人になっていく過程のその一歩手前、三十代半ばのたゆたいをちゃんと描いているなあ、と。年齢的に挑戦したり、抗ったりではなく、過去を踏まえた上での自分のポジションの置き所を探すというか。たぶん、これが本当なんだろう。前向きでガツガツしている三十代半ばなんてひと握りなんだろう。

鈴木悟は去年海外からの刺客に負けてしまったが、あともう少し頑張って欲しいなあ。
ボクシングは日本王者。K−1ではまるで駄目だった。けれど、シュートボクシングという投げが許されるルールになったら開花してきた。ローキックで足を削られるくらいなら、くっついて投げちまえばいいわけだ。しかも鈴木悟は子供の頃に柔道をやっていたという。投げがうまいはずだ。人はどこでどううまくいくかわからないねえ。ま、彼のキャラは苦手だけど。グローブで投げキッスはどうかと思う。