『しらない町』

 鏑木蓮さんの『しらない町』。おー、そうきたのかー、と。このかたの回りくどい文章って自分と似ていてツライ……。せりふも持ってまわったような。反省する。ラストの着地点でとてもすばらしいことが導かれていてそれは本当によかった。
 実は鏑木さんが立教池袋ふくろう文学賞を受賞したとき、ネットの某掲示板でやり取りをしたことがある。送られてきた「小説宝石」に載っているのを読みましたオメデトウって。それが2004年。鏑木さんは2006年に江戸川乱歩賞を受賞。あのときぼくは名乗らなかったんだよね。デビューはしていますって伝えたけど。そういえばあの掲示板、垣谷美雨さんもいたなあ。その後デビューしてた。まだSNSがここまではびこる前で、栃木に住んでいたから、同業者のつながりを求めてぶらぶらしているときに見つけたんだった。いまはmixiでもツイッターでも気軽につながれて、ちょいと面白くないよね。

 そういえば映像化してくれるというのでその試写に行った。あれを110分でやるというのは無理だったか。