船木

 船木と諏訪魔の三観戦を観てみた。諏訪魔はプロレスラーとしてかなり完成度が高い。技術もさることながら、ナチュラルパワーが抜きん出ている。きっと純粋なプロレスの強さだったら、中邑あたりだってきっと敵わない。レスラーの誰もが諏訪魔を化け物じみていると言うのだから、本当にすごいのだろう。でも、抜きん出ているがゆえに強さが伝わってこない。比較対象がいないために格付けもされない。こんなとき、オブライトやウィリアムスみたいな化け物じみたガイジン選手がいたらなあ。しかも小技ではなく、ナチュラルパワーでぶつかり合えるような。レスラーとしての格を上げるために、IGFに行ってボブサップやボビー・ラッシュリー、エリック・ハマー、藤田和之をたいらげてくるといいかもしれない。団体内のヒエラルキーで王者としての風格をつけられないなんて、プロレスファンとしては悲しい時代が来たな、なんて思うのだけれど。

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 ショーデンシャさんから市川さんの小説をもらったので読んでいる。彼がブレークしたのは十年前。わーお、書いていることまったく変わっていない。というか、文章が上手になっていない。怖いな。自分もそうなのかな、なんて考えて。できるようになったことをいつまでもこだわってやっていると、逆に下手になる。できるようになったことを基礎にして上積みがなくちゃいけない。だけど、延々できることだけをやっているような、そんな文章だった。できることなのにさらに手をかけているから、もはやクドいというか。上手くなるということは、刈り込むことができるようになること、と考えているんだけどね、ぼくは。絵だって歌だって写真だって小説だって、上手くなっていくとシンプルになっていくんだよ。盛った技術は鼻につく。