2013

 あー、今年も終わるなー。すげーなー。今年一冊も本が出ていないよ。どうやって食べてるんですか、といろんな出版社さんに心配されちゃってるよ。でも、ぎりぎり食べていられるんだよなあ。なんだかんだ言って連載をやらせてもらっていたし。でも、連載をやってしまうとストップしてしまうことが多くて。2014年は無収入状態でもいいから本を出すことに専念しよう。今年はお遍路を回ったり、インドへ行ったりと、楽しかった。インド、また行きたいな。街並みが違うというよりも、まず道からして日本と違う。見渡せば野良牛と野良犬がそれぞれ数頭簡単に見つけられる。一ブロック歩くだけでも驚きがある。いかがわしいインド人が話しかけてきて面倒くさいこともある。さすが世界三大ウザイ国と言われるだけはある。でも、街中を歩いているだけで本当に面白いんだ。吉行淳之介さんのエッセイ選で『街角の煙草屋までの旅』というものがある。たぶん、むかしの日本の道もちょっとその先に行くだけで、いろいろなものに出くわすことができたんだろう。いまはまさに交通のための道という意味合いしかないのだろうけど。その点、インドはまだまだ一ブロック移動するだけで旅になる。道で商売している人がいる、ぼーっとしている人がいる、子供が遊んでいる、物乞いが呼びかけてくる、ケンカをしている、外国人を騙したろうと虎視眈々と狙っているやつもいる。道が本当に面白かったんだよ、インドは。どこに行かなくてもいい街だった。