『チョコレートビースト』

 「インディゴの夜」シリーズの2作目『チョコレートビースト』を読む。作者の加藤実秋さんにしても、『荒川アンダーザブリッジ』の中村さんにしても、最近やっと最新刊を読んだ『鋼の錬金術師』の荒川さんにしても、女性がカッチョイイ男子(そうじゃないのもあるが)を描くのがうまくなっている気がする。

 加藤実秋さんは『モップガール』がすでにドラマ化しているけど、「インディゴの夜」シリーズもすぐに映像化いけそうだ。ただ、「池袋ウエストゲートパーク」にならないように、ちがった色を出していかなくちゃならないだろうけど。それから、そろそろゲストに焦点を当てて事件を解決、よりもメインキャストの過去を掘り下げるとか欲しいなあ。

 先日のみちのくプロレス矢巾大会を観た。拳王いいと思います。日本拳法の下地があるので格闘技系の動きはばっちり。沖縄プロレスで300試合くらいこなした甲斐があって、プロレスも上手だ。
 いままでハヤトが格闘技系の動きしかできないのに、格闘技系というカラーのもと庇護されていた。しかもあくまでそういったカラーであって強いわけでもない。それが、拳王と闘うことによって露呈してしまった。
 プロレスラーって筋肉の鎧をまとって、さらに30分は動けるスタミナをつけなくちゃいけない。これってけっこう大変だと思う。ハヤトは拳王のミドルキックを左腕に受けただけで手が動かなくなってしまった。ストマックブロックとソバットを腹に受けただけでずっと前かがみで動けなくなってしまった。スタミナもない。拳王はきちんと「相手の攻撃を受けるタイム」を設けて攻めさせていたけど、ハヤトはそれをできる体を持っていなかったんだな。
 まあ、ハヤトには身も心も大きくなって帰ってこいよ、ということで新チャンピオンの拳王にちょっと期待しちゃったりする。