のむ

 カメラを通じて知り合った子と飲む。パラレルな人間関係である人たちと、かかずら合うことなくとも楽しく過ごせるようになったのは、おとなになったしるしだろうか。
 十代や二十代のころは、七面倒くさい人間関係に放り込まれて雁字搦めになって「もういいかげんにしてくれ!」と叫びたくなっても、そういった立場に喜びを感じていた(と思う)。思春期って人と関わっていたいものだもの。人との関係において試されているような意識もあった。思えばあのころ、敵も味方も結局みんな身内だったんだよね。あれってある意味、幸せな状況だったと思う。おとなになってみれば。

 今回マッキーが連れて行ってくれた「ビーボ!」で飲んだ。池袋で別れて帰る。そういえば初めてヤマモトさんと飲んだのもあの店だった。

 この三年あまりいろいろあり過ぎて、東京に出てから友達はひとりもできなかったし、いなかった。ロストスリーイヤーズ? やっといっしょにご飯を食べたり、お酒を飲んだりする人ができた。ちょっと寂しい人生かもしれない。人生の展開が遅いのも、まあ、いつも通りだ。いまはもうちょっといろいろとパラレルでいいと思っている。