同窓……(1)

 生活用品やら夕飯やらなにやらと買出しに行く。立川まで出たので、カフェに行って写真展を見る。以前メールのやり取りをした子。初めて会ったけれど盛り上がる。同じカメラを使っているもので。
 彼女は12月の上旬には出身の香川に帰るそうだ。遠い遠い土地から東京に出て、再び帰るときの気持ちってどんなものなのだろう。ぼくはほぼ毎週実家に帰っている。一時間半もかからない。ふるさとの意味合いが違いそうだ。そういえば、盛岡にいたころのほうが、実家に帰ったとき感慨深いものがあったなあ。距離は思いを深くするよ。

 最近、多摩モノレールに乗ることを覚えた。これに乗れば、多摩動物公園までまっすぐに行けちゃうんだなあ。

  今日は腹たつことがあった。同級生のA君から電話がかかってきた。忘年会の日程についてだそうだ。ぼくはどーも彼が苦手だ。以前日記で書いたことがあったけれど、どうしても遊びに来てくれというから行ったら、奥さんにこんなことを言わせている。
「なあ、おれ今日大きな仕事とってきたんだよな? いくらの仕事とってきたか言ってやってくれよ」
 彼は保険の代理店をやっているのだ。お父さんの顧客を継いで。奥さんは台所で小さな声で言った。
「50万……」
 切なくなるんだよ、彼といると。いまだに酔うと早稲田に入りたかったのに、という話をする。自分の姉が早稲田だったから当然自分も入ると思っていたそうな。でも、姉ちゃん二部だったぞ。もちろん、二部だってたいしたものだし、ぼくの友達も行っていたけれどさ。
 きっと奥さんにも子供にも強引なんだろう。家に行っているあいだ、奥さん一度も笑わなかったもん。子供は顔が引きつっているし。さんざん遊んでやったらすっごく楽しそうに笑った。人見知りなんだ、と言っていたけれどあれは違うぞ。親の目ばっかり窺っていたもん。

  (珍しく続く)