……結局

 朝から電話がかかってきて、「絶対に出席してよ。絶対だからね。日程だってデシデシ君に合わせたんだからね」だそうで。
 行く、と答えてしまったよ。またあの世話焼きババアみたいなトークを聞かされるんだろうなあ。
「相手いないんだったら誰か紹介してやろうか」
 いいよ、別に。先日書いた日記みたいにずっと手柄気取りでいられるのは面白くない。
「デシデシ君が結婚できたのは、おれが頑張っちゃったからかな?」なんて疑問型で言うに決まっている。「そうです」と言ってほしいんだよ、いつも。まあ、いい。さらっとさくっと行って帰ってこよう。あまり思い詰めると当日キレそうだ。

 日本シリーズは成瀬・渡辺と栃木県出身が二人も投げていて喜ばしい。成瀬は年齢的にぼくが桑中に映画を見せに行ったときにいたんじゃないかな。それから、福岡から母娘が来たときに、娘さんの友達に若田部という子がいて、ぼくの本を読んでくれているという。福岡で若田部といえば、ホークスにいた若田部。まさにその若田部。不思議なこともあるもんだ。

 ぼくと同じ年に江戸川乱歩賞でデビューした方が、書く仕事をやめるんだとその人の奥さんが日記で書いていた。収入が厳しくて、普通に働かなくては食べていけない、とか。ほかの出版社の人には名前を変えて新人賞に応募はどうか、と提案されたとか。乱歩賞でデビューしてもそうなるのか。明日は我が身かもなあ。そうならないように頑張るしかないんだけれど。なんだか切なくなるよ。