言葉はなれて

 ゲントーシャさんからお電話が二日連続で来る。20日しめきりだからね、第一回の原稿。PR紙で連載する。今回の自分の課題は、いつもの言葉から離れること。いつも用いる言葉がすでに小説を書くうえでの美意識に基づいたもので、それが集積したものは同じような美意識の集合体にしかならないので、今度はもっと離れてみよう、と。俗っけを入れて、それを取り込めればいい。文章が端正と持ち上げられてもらったばかりで申し訳ないのだが、どうせぼくのことだ。奔放に書いたところでたかが知れている。だから、やり過ぎくらいがちょうどいい、ってアレをやってみようと思う。