『スーパー8』

 スピルバーグが製作指揮をとっているとかいう『スーパー8』を見てくる。宇宙人が出てくるわけだ。でも、怖いのなんのって。『E.T』みたいのを想像して行ったのでびっくりした。CGはすばらしいのだけれど、パニック映画の域を出ていない気がする。『E.T』って“コンタクト”と“別れ”というドラマがあるんだよね。スピルバーグってなんだかんだいってもドラマの人なんだな、と。でもってCGでいろいろ描けてしまうから、街のひとつやふたつが壊滅するなんてお茶の子さいさい。けど、ぼくはもっとささやかなもののほうが好きだな。誰にも知られなかったけれど宇宙戦争でした、大冒険でした、という藤子不二雄的箱庭の世界が好き。この『スーパー8』は舞台は1979年。でも、あんな大騒動があったら、いまのぼくらがいる世界にも伝わっている出来事だと思う。つまり、華々しくドンパチやっちまったおかげで、いまの世界とはパラレルになっちまった。そういう点でも、箱庭宇宙戦争がよかったのに。