CM・パンク

 発端は先月のロウだった。CM・パンクがビンス批判をやらかしたわけだ。おれの友達だったコルト・カバナもギャロウズもクビにされた。この会社はゴマすりのうまいシーナやドゥエインやホーガンみたいなやつだけが生き残れるんだ、みたいな。7月17日に退団予定だったのに、いきなりのWWE批判。カメラ位置から決めポーズ、試合後のコメントまで決まっている台本ばっちりのエンターテイメントでいきなりナマの声を出してしまったことで、CM・パンクは一躍時の人となってしまった。
「もう疲れたんだ、こんなこと」
 CM・パンクは本当に会社内での生き残りをかけたゴマすり戦争に疲れたのかもしれない。
 けど、これで終わらないのがWWE。リアルをファンタジーに取り込むことにかけては、ドン引きするほど。今回、ビンス更迭、HHHが最高執行責任者になって出てきた。さて、どうなるやら。
 小説もそうだけれど、結局、物語なり、リング上の試合という作品なりを透かして、リアルは見えてしまう。リアルをファンタジーでラッピングして売ってるんだぜ。切り売りしてるんだぜ。そこは思いっきりウェルメイドな作品に仕立てて売るわけさ。というところでCM・パンクのナマの声はWWEによってストーリーラインに組み込まれてしまうのか。消費され尽くしてしまうのか。