1.4

 新日のPPVは1.4東京ドームとG1の決勝だけ買っている。で、今回の1.4はかなり上出来だったんじゃないだろうか。なにしろ中邑vs桜庭がよかった。あれ、猪木がやりたかったプロレスだよね。プロレス内ガチだよ。ふたりが背負っている幻想もいい。総合を通ってきた強い者同士がやるんだ、という幻想。結局、プロレスってのは愛なんだよね。相手を殺しちゃいけない、壊しちゃいけない。その線引きがあるのがプロレス。線を引くならば、手心を加えることになる。それがプロレス。その線の内側でいかにぎりぎりまでやれるか。四天王プロレスってその土俵際いっぱいまで行っていたわけで、格闘技的なアプローチで臨界まで行けるんじゃないかと考えていたのが猪木かもしれない。けれど、IGFのぼんくらどもでは行けなかったわけで。世間的に中邑vs桜庭の試合がどれだけ届いていたかわからないけれど、中邑はプレイヤー側として猪木のやりたかったことを体現してしまった歴史的試合だったんじゃないかと。