2013

 短編のベストコレクションというアンソロジー、また載せてくれるらしい。面子を見るに、金銀飛車角の中に、香車のぼくがいる感じ。もう九割が直木賞受賞者か候補者。ありがたいけれど肩身が狭い。おまえ、誰って感じ。やっぱちょっと頑張らないと。せめて顔じゃないというこの印象を払拭したい。

 朝倉さんが紹介していたモーニング娘。のPV。ダンスショットバージョンらしいけれど、顔のアップもなく、異様に遠い引きの一発撮り。マツコミジメックスからの歌詞もよくわからん。なんかぼくが知っているモーニング娘。と違っていた(笑) モーニング娘。というマンネリ化甚だしいコンテンツを変えるには、振り切ったことをしなくちゃならないんだろうなあ、と。

 結局、変化とか新しいとかの意識を受け取り手に感じさせられるのは様式・形式においてだけなんじゃないか。本質なんて変わらないから、スタイルの変化だけが革新的という印象を引っ張ってこられる。これは表現全般において言えることだし、実は日々着ているものが変わっただけでその人間が変わったように感じるのと同じかもしれない。
 えーと、なにが言いたいかというと、なにか作りながら生きている人間は「作ったモノがどうにも自分である」ということのうんざり感と常に直面しているわけで、アンソロジーの短編も十年前に書いていてもおかしくないようなものであって、変わるにはどうしたもんかな、と考える今日このごろだったりするわけで。