『ミーナの行進』

 こつこつと紡がれた物語が好きなんだなあ、自分。そういうことを『ミーナの行進』を読んで思った。ニュアンスとしては「小説」じゃなくて「物語」という点も大切。ぼくは共感という感覚がない。「あー、あるある! そういうことあるよね!」という興奮がまずない。理解できるし、自分も同じ思いを抱いたことがあっても興味はない。これ、父親の血なのかな、と怖くなる。あれいいよな、これすてきだよな、ああいうのはヤだよな、なんて会話をした記憶がない。あの人、自分が底辺のくせに他人を蔑んでるんだ。おかしいでしょ。当然、歪みが生まれる。

 プロじゃないならアマチュアだろう。アマチュアってことは趣味だろう。死ぬ気でやっているアマチュアもいるだろうけど、そうでもない趣味の域なのにアーティストと自称する人間が多くて反吐が出る。それはアーティスト気取りだ。感覚や生活がどんなにアーティスティック(そもそもアーティストという語が大っ嫌い)だろうとも、作品がしょぼかったら意味ないじゃん。
 なんてことを、ハイアマチュアな人たちの戯言を聞かされているうちに醸造させてしまって。

 前回書いたAさんの件、いよいよ面倒なことに。ぼくは関係ないけれど。どうやらぼくが小田原のYさん、京都のCさんと会ってから思うところがあったらしい。ま、ぼくはとっくの昔に関係を断ったからどうでもいいけど。