疲れた

三つ問題が同時進行していて、ひとつ片づいた。結局、うちのお父さまは胃がんじゃなかった。まあさ、長男だし、母一人をあの広い家に残してもさ、と父亡きあとのことを考えて帰ることも考えていたのだけれど。

実は人生なんてギリギリうまく歯車が回っているだけなのかもしれない。ちょっと狂い出せば、向かい合わなくてはならなくなり、棚上げしていた嫌悪と向き合うことになる。自分が直情的なのも悪いんだけどさ、穏やかでいられなくさせるのはあちらさんのほうなんだしさ。

まあ、まったく別に栃木に帰ってもいいかなとちょっと考えたよ。いまの土地にいるのは好きでいるだけだからさ。わがまま。住まなきゃならない理由なんてないんだ。そう思うと、故郷に帰らない長男ってやつは、東京で仕事をしてたり、家族を作ったりするからなんだろうな。嫁の働き先を変えたくないからとか、子供の教育環境を変えたくないからとかさ。おれの場合、なんもないんだ。この土地に根づいてないんだよな。