津波の夢

 犬の癌の確定診断が出て腫瘍はすべて取りきれたとのこと。腫瘍とその周りとの境い目もはっきりしていたので、大丈夫だろうと。あとは再発をチェックしつつ、寿命まで逃げ切ってみせるしかないな。なんといっても14歳だ。人間だったら100歳くらい。なにがあってもおかしくはない。

 そんなこんなで今年の新日のG1は後追いで録画を見ている。いまのところ面白かったのは柴田vs飯伏。噛み合ったな。めっけもんとしてはエルガン。後藤vsエルガンは面白かった。どこの馬の骨かと思っていたのに後藤を圧倒して、しかも魅せるレスリングをちゃんとして、最後は後藤は後藤式で丸めこんだけれどあれはエルガンの試合だった。後楽園のすべての客がエルガンコールしていたしな。たぶん、エルガンは新日の試合をたっぷり見ているんだろう。すぐに対応できている。両国初日の石井智宏戦も面白かったけれどすっかり日本人みたいなレスリングしていたもんな。

 印象に残ったのは永田vsオカダ。オカダが永田のグラウンドに一度も付き合わなかった。というか付き合えなかった。実力差を露呈させてしまうもんな。それでも行ってほしかったよ。がっかりした。キャラを守るのも大切だがちゃんと刀を持っているのが新日のモットーだったろうに。むかし武藤がペドロ・オタービオと異種格闘技戦をやったとき、けっして柔道でトップを取ったわけでもない武藤であっても圧倒していたよ。

 後楽園ホールでは本間vs石井がメーンという驚きのカードが組まれていたけれど、ぎりぎり及第点って感じかな。ともに好きなレスラーだけど彼らの場合相手が格上だから面白いんだよな。一泡食わせる系というか。でも、ふたりが歩んできた道を知っている身としては、彼らが新日のメーンを張るなんてむかしむかしのインディー時代を見ていた頃には考えられなかったことだ。

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 初めて津波の夢を見た。もうみんなどんどん呑まれていく。目が醒めるとやっぱり夢占いとかなんの影響かとかネットで調べちゃうよね。どうやら私生活が変化してしまうほどの価値観に呑み込まれかかっている、とかなんとか。まあ、それは否定しない。で、逃げおおせた夢っていうのは最終的にはなんとかする、なんとかなる、と夢判断するらしい。ぼくの夢では豪華客船に乗ってありがたく逃げた(笑) 

 関係あるのかないのか、最近の読書は湯本香樹実『岸辺の旅』と吉本ばなな『海のふた』。両方とも海辺の話。最近よく思うんだけれど小説って結局作者の書きたいことを書ききれていないよね。この両方の作品ともそうだった。じゃあ、どう描くのか。芯なのか断面なのか断片なのか。全部は描ききれない。どんな絵だった世界をすべて詳細に写し取ってこられないように。