言葉にする

 言葉にするのが仕事なのだけれど、言葉にしてしまうとそのまま定着しそうでこわかったのであえてしなかった。日記も書かなかった。書くとすれば仕事としての言葉。でも、フィクションの世界の中だけの作られた怒りや悲しみを言葉にしてばかりだと、だんだん薄っぺらくなっていく。なんだかんだ言ってもリアルの生活で得た怒りやうんざりや虚無感は日常的に言葉にしてつかまえておかないと、フィクションそのものが薄くなる。

 ので、書くかな、と。

 犬に関しては去年肥満細胞腫という悪性腫瘍ができて、実は今年はもういかんのかもと仕事をセーブしてしまった。でも、セーブしたら次が来ないのはこの世界。徐々に盛り返していかないとな。ただ、一度猫が旅立ったときににっちもさっちもいかなかった経験があって、そのときには頭のおかしな同居人もいたから、裏の鉄塔から飛び降りて終わりにしたろかとか良くない想像をよくしていたもんで、やはり病に冒されたものが同じ屋根の下にいるときは、できるだけ仕事は避けたいのだよね。ま、うちのわんこが今年はとても元気なので仕事を盛り返していくという方向にシフトする。

 明日で二匹目のわんこがやってきて二年。当時むしゃくしゃしたことがあって、引き受けたのだった。だってさ、フェイスブックかなにかで600件のイイネがついていて、70件のコメントがついていたの、保健所で殺処分の期限がすでに過ぎた子でもう処分されるから誰か助けてあげてくださいって。ばかじゃねえのって思ったんだよ。何百人も盥回しにしやがって。命のことだろう?