終わらないったら終わらない

 一度七百枚くらい書いて終わった原稿を、最初から手直ししている。二年ほど前に書いたものなので、自分でも読んでいてなにが書いてあるかよくわからない。まるで他人が書いた文章のように読めるので、ある意味公平に手を入れられる。のはいいのだけれど、公平に見れば見るほど下手くそだなあ、といくらでも直せてしまうので終わらない。

 一日パソコンに向かって集中できる時間なんて限られている。十時間は無理だ。六時間くらいが妥当だろう。となるとその六時間を昼間三時間、夜三時間に分散して仕事するようにする。が、これがそううまくいかない。犬の散歩や食事の用意などなどあれやこれやと所用で出かける。たぶん、家族のいる作家よりは楽なんだろうけれど、それでも自分のペースで一日を過ごせない。ともあれ、金土日は取材で歩く。明日できるかぎり進めておかなければ。