仕切り直し感のある2018年のスタートなった。

 12月はこの数年でいちばんひどかった。誕生日となると駆けつけてくれたり、年越しをいっしょにしていた友人の子が心臓の突然死で亡くなった。いっしょに八ヶ岳の山小屋に泊まったり、上高地でテントでキャンプしたり、この数年たっぷり遊んできた子だった。12日に四十歳になったばかり。三姉妹で上のお姉ちゃんたちは結婚しているけれど、彼女はしていない。みんなから愛されている人で、12月1日には共通の友人が開店したブックカフェで日本酒飲み会をやったばかりだった。

 仕事は担当編集にひどい仕事をされ、ずっと怒っていた。装丁の面でも文章校正の面でも手抜きで無神経。ほかの作家さんや書評家も驚き呆れていた。早い話が仕事をまったくしていない。それどころかこれから出そうとする本を殺そうとするようなことをされた。すごく怒ったのだけれど本人はまったく気にしていないのだろう。校正がザルで、再校もザル。こんなことは出版社ではありえない。しかも再校の原稿をチェックする時間を一日しか与えられず、徹夜でやった。句点と読点が間違っていようが、登場人物の名前が変換ミスとなっていようが、四文字熟語が間違っていようが、まったくスルー。ルビも初出ではないところにつけられ、なぜそれをぼくが訂正しなくてはならないのか。眠らないまま出版社に持っていき、そのまま告別式へ向かった。

 あまりにも怒りすぎて、あまりにも悲しくて、神経性胃炎に。風邪をひいたら急性胃腸炎になってしまった。下痢と嘔吐と発熱でずっと倒れ、三日間アクエリアスで過ごす。31日にやっと白粥を食べた。

 ぼくは別に売れっ子になりたくてこの仕事をやっているわけではない。もともと売れている本を読んで育ったわけでもない。この業界の隅っこで好きなことを書いて気楽にやっていきたいと思っていた。でも、取るに足りない書き手と見下され、適当な仕事をされるのであれば、この考えを少々改めなくてはいけないのかもしれない。作家によって態度を変える編集なんてクソの権化だけれどさ。